将軍独裁制

527 ~ 527 / 706ページ
 室町幕府の成立は第三章の第三節で述べたように、建武式目が制定された時点である。幕府の最高主権者の将軍について、初代の尊氏は源頼朝の将軍独裁制を復活しようとした。そこで尊氏は、将軍の権限を鎌倉将軍と執権の二つをあわせた強力なものとする。このため室町幕府では、鎌倉幕府の執権(しっけん)にあたる執事(しつじ)(のちの管領)に対し、幕政の最高責任者にふさわしい権限を与えていない。