武士社会の新しいありかた

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 【領内武士層の支持】守護の支配力の強弱は、直属の家来や国人の支持が鍵となる。将軍の家督も現実には将軍の家中の重臣(現実には守護たちの多数の支持による)たちの支持なしには決定できない。これが武士社会の新しいありかたである。一家・一族の結合が絶対で、そのために一族では惣領、一家では父親の意思が絶対でなければならないという武士社会のありかたは、南北朝時代に大きく動揺してくずれた。それは支配者が惣領を指名したり変更したり、また家中の者が惣領をきめる傾向である。
 
 【農民の力】武士の所領支配は、領内武士層の支持によってはじめて可能になるのである。その武士層、それをささえる農民層に新興勢力がのびてきている。