農村の支配階級

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 室町時代の農村では、地侍(じざむらい)とか殿原(とのばら)(名前に殿の敬称をつけてよぶ上層民、地侍や殿原の有力者が国人)という伝統的な有力な名主(地主、総称して沙汰人とか地下年寄という)たちと、生産にはげむ乙名(おとな)・長百姓(おさびゃくしょう)(戦国時代になると百姓前といわれる)といわれる名主たちとが支配階級であった。
 
 【地侍 乙名 長百姓】小百姓とか地下百姓というのは新興の名主で、しだいに「おとな」とよばれるようになる。おとな以外の村民は、年齢によって中老・若衆にわかれた。
 小農経営はようやく安定してきた。小農とは直系家族の労働力を中心とした小規模な独立経営農のことである。しかしこのころになっても小農(小百姓)の多くは、まだ有力な名主と無関係では再生産できえないのがふつうである。

農家の生活 光明真言絵詞 部分(滋賀 明王院蔵)