目次
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中世編
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第四章 室町時代
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第四節 社会と経済
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交通
水運
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大量の物資を長距離に輸送するのは水運によっていた。航路の根幹は淀川・瀬戸内海であるが、日本海や太平洋沿岸航路もしだいに利用されてきた。
【廻船業】廻船業者は商品の水上輸送を商人からまかされるようになった。室町時代の中ごろ、摂津兵庫(神戸市)・薩摩坊津(鹿児島県)・土佐浦戸(高知市)の廻船業者三名が主唱して海事商法「廻船式目」をつくった。その内容はヨーロッパの海事商法をしのぐ高度さであった。船はふつう二、三百石で、貿易船をのぞくと最大はおよそ百トン(千石)であった。