下剋上のすがた

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 いままで将軍をロボットにしてきた細川家も二派にわかれて衰え、その老臣の三好長慶、さらにその老臣の松永久秀にと、中央政権の実権がにぎられた。これが戦国時代の中央政界の泥沼のような「下剋上(げこくじょう)」の現実の姿であった。戦国大名は各地区に割拠し(奥野高広『戦国大名』)それぞれの地域差におうじ、最後の勝利をめざして、苛烈な生存競争をつづけた。