下剋上の論理

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 戦国時代の特徴の一つに下剋上の現象がある。その代表者は各地に山城をきずき、自分の実力を試そうとする小領主たちである。彼らは農民のたたかいの中から成長した小領主で、つぎの時代をきずき、支える人たちである。南北朝時代以後、従者が主君を批判し、主君に徳がなければその地位をうしなってもしかたがない、との考えがうまれた。また従者たちが適格の主君をえらぶという思考は、この時代に特有の考えかたであり、下剋上の行動の論理である。