【宗信】松井宗信 その祖助宗は、もと山城国(京都府)の御家人であったが、足利尊氏の将今川範国人道心省の指揮下に従軍していた。【蒲御厨 二俣城】そして義元のときに松井宗信は、鎌田御厨をはじめ二俣・野辺・下平河・津久部、蒲御厨の鶴見・長田両郷の代官職を知行し、今川家の支城二俣を守っていた。すなわち宗信は遠江の中部に所領をもち、今川氏の蔵入地遠江尾奈郷の代官職をつとめ(『蠧簡集残篇』)、在地の武士や有力農の寄親として、その寄子(五九三ページ別表参照)をとおしてその地を支配していた。
松井氏