天野氏 尾上氏 奥山氏

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 【犬居城】天野氏 遠江の東部に所領をもった鎌倉時代からの武士で、南北朝時代には足利氏に味方した。今川氏との関係は、明徳(めいとく)三年(一三九二)仲秋から浜笠名、翌年上長尾を返されたのがはじめである。天野氏は今川氏から「惣領地頭」とよばれ、犬居の地帯と遠江北部の所領を知行し、尾上・渡辺・和田氏ら在地の下級武士の寄親として犬居城(周智郡春野町)にいた。のち徳川氏から武田氏に属し、さらに天正十年(一五八二)には北条氏照の部下になり、甲斐(山梨県)から関東にうつる(『天野文書』『尾上文書』『掛川誌稿』所収)。