不輸権と不入権

604 ~ 605 / 706ページ
 戦国大名は、分国内の土地・人民のすべてを領土・領民化する方向に進む。かっての荘園に認められた不輸権や不入権を認めることはできない。『仮名目録』では駿府の中の不入地の制を破棄した(二十二条・二十三条)。【今川義元】義元になると、分国中に守護使不入などは曲事だ、とし自分の力量で国の法度を制定するのだから、守護の手がおよばぬ事はあってはならないと宣言する(追加二十条)。戦国大名の権威の確立したことが認められる。【例外の祈願寺】しかし今川氏の祈願寺、たとえば当市内正光寺・妙光寺・竜泉寺(『浜松市史史料編』三)・大山寺(当市大山町、いまは廃寺、同寺文書)などには「守護不入」の特権が認められている。