家訓

605 ~ 606 / 706ページ
 家庭(かてい)や家中(かちゅう)に対する戦国大名の教訓のうちで、今日に残っているのは『朝倉孝景十七か条』・『上杉定政長状』・『旱雲寺殿廿一箇条』(『中世法制史料集』第三巻にも収めてある)・『朝倉宗滴話記』・『沙弥洞然長状(しゃみどうねんながじょう)』・『武田信繁家訓』・『毛利氏遺誡』・『北条幻庵覚書』などである。これらは戦国大名が一門をはじめ、家臣を訓戒した内容が多い。その指導精神は、家臣団を統制することに集約される。【家訓のねらいと朱子学】武田信玄の弟信繁の家訓に論語を引用しているように、戦国大名は儒学のうち朱子学をとりいれた。朱子学は、後醍醐天皇が採用したように、支配者側に有利な教説である。