城郭には山城(やまじろ)・平山城(ひらやまじろ)・平城(ひらじろ)の区別がある。城の位置が山上・山腹・平野であるかによってのちがいである。戦国時代のは平山城が多く、しだいに平城にうつる。
城郭の工事のうち、土工の工程を普請(ふしん)、楼櫓などの建築を作事(さくじ)という。わが国の城郭は、ふつう本城がかなり狭い。【付城 陣城 繋の城 裸城】敵城を攻撃するために、これに対して築くのを向(むか)い城(じろ)とか付城(つけじろ)、主将がながく本城のそとにあるときに築くのを陣城(じんじろ)、主要な両地のあいだに約一日の行程をへだてる地点に構築するのが繋(つなぎ)の城である。城下町を破壊された城は裸城(はだかじろ)である。
大名の城郭は壮大で、分国の中心としてその雄姿をできるだけ遠方からでも望見できるようにつくられた。【館】しかも戦国時代には、分国内に豪族や国人たちの砦(とりで)・屋敷・館(たち)が多数あった。豪族は館に住み、農民を支配し、丘陵上に砦をきずき敵に備えた。土豪が大きくなると、低い山の上に城をつくり、家臣を山麓にすまわせた。【根小屋】山の麓の家臣たちの集住地を根小屋(ねごや)といった。