産業構造の変質と政治権力の移動

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 日本の中世の農業・林業・漁業などの第一次産業は、基幹産業であった。ことに農業と米穀経済をはなれて、封建領主・封建大名は生存できない。しかしこれがしだいにその王座を商工業などの第二次産業に譲ってゆくところに、産業構造の変質とそれをふまえた政治権力の移動が行なわれる。
 戦国大名の分国の農業は、主食の米穀を生産するだけでなく、その生産物と農業人口は、年貢・公事・夫役とか農兵の源泉である。