農村の構造変化

611 ~ 611 / 706ページ
 【小地主 武士の離村 郷士】中世の中期ころから近世のはじめにかけて農村の構造は変わり、その農民のかなりの人びとは小地主(小名主)で、半独立した経営をする人格をもつようになった。しかし兵長分離と城下町の成立という社会の進みにつれて、村落に住み加地子(かじし)(地代)で生活している名主(みょうしゅ)は、城下町にでて専門の武士になり、もし土着すれば郷士(ごうし)になった。後進地区では、この郷士が御館(おやかた)などとよばれ、その地方の代表者としてあらわれてくる。大名は、彼らを利用して年貢などの徴収を完全にしようとし、宿老・中老・若衆というような身分制をつくり、村落の自治を認めた。【代官】そして代官・小代官・郡代などの武士を現地において、民政をとらせる。