商業と手工業は、座(ざ)という団体をつくり、荘園領主の保護をうけて大きくなってきた。しかし荘園が戦国大名の分国になってしまうと、座は保護者を切り換えねばならない。その大名は商人に対し夫役(ぶやく)、手工業者に棟別銭(むなべちせん)を免除するのがふつうである。つぎに北条・武田・徳川氏などは、入港する伊勢(三重県)舟に舟役を免除した。今川氏は、分国内の重要港を指定し、ここに出入する船舶に帆役・湊役などを免除した。また城下町には徳政を免除するとか、商人には敵地でも他国でも交通を認めるなどの保護政策をとった。