【御用商人 御用職人】そして大名は商工業者を資金源にする。まず商工業の座を統制団体として利用し、座の有力者を御用商人(ごようしょうにん)・御用職人として、分国内の商工業を統制させた。彼らは国内で生産する物資を集め、国外の物資を調達し、大名の手足となって働く。この御用商人は、商業税を大名にかわって徴収し、これを上納した。また商人は、他国との往来がかなり自由であったから、大名は通信の任務をこの人びとに与えた。石切・杣・大鋸引・鍛冶・桶結・畳指・細工師などを御用職人にした例は、戦国大名に共通している。夫役を免除されたり、扶持を与えられるかわりに、年間何日の公役奉仕の義務がある。