このころの徳政は、土倉・酒屋などの高利貸業者の質物を、質入主にほとんど無償で取り戻すことを認めた法令である。質入主は農民や町の小市民が多い。これが一揆をおこした。【町は免除】大名は発展をつづけ、分国の中心である町に一揆のおこることはさけたい。徳政令を公布しても町には実施しないことを付加したのは、このためである。これによって高利貸業者と関係をもつ町の商工業者も保護した。【町に移る業者】この危険を感ずる業者たちは、農村から町にうつる。ただし一揆が実力で奪いとるのは論外である。大名は都市において、矛盾した政策をつかいわけている。金融業者が徳政免許をうけたときには、献金させたことはいうまでもない。