7 板碑 いたび

89 ~  / 109ページ
 形態 主尊の種子、尊像または名号を中央に位置し造立者名、紀年、造立の趣旨を刻んだ石塔。
 名称の由来 江戸時代に緑泥片岩で板状に整形した石碑に命名された。
 造立の目的 鎌倉時代には主として仏の供養を行なった。室町以降は仏の供養に合わせて死者の供養、逆修供養を行なうようになった。
 このようにして板碑は石墓に変遷した。
 参考事項
  逆修供養 逆(あらかじめ)生前に自分の冥福を祈ること。
 形式 整形板碑、自然石板碑
    整形板碑は頭部を山形に造り、その下に二段の切り込みを入れて額部を造り、額部の下方に梵字、尊像、名号の何れかを陰刻して、左右に造立の意義や造立者、紀年銘を刻した塔。
    自然石板碑は山形、額部がない自然石に種子、文字を刻む。
 起源 平安時代末期の長崎の自然石板碑を最古として、鎌倉前期には関東では主として緑泥片岩の板を整形して板碑とした。
 最古の紀年銘 須賀広弥陀三尊板碑 埼玉県 嘉禄三年(1227)