ふるさとの伝統(でんとう)工業(こうぎょう) 西条の酒(東広島市西条)

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 日本でおいしいお酒がたくさん造られている町といえば,兵庫県の灘(なだ),京都府の伏見(ふしみ),広島県の西条といわれており,東広島市は全国的にも酒づくりで有名なところです。
 JR西条駅の近くには,白壁(しらかべ)づくりの酒蔵(さかぐら)とれんがづくりの煙突(えんとつ)がいくつも見られます。また,おいしいお酒を造るために必要な井戸水も湧(わ)き出ています。
ここ西条では,約300年前からおいしい米と水を使って日本酒(にほんしゅ)が造り出されています。

酒蔵(さかぐら)と煙突(えんとつ)

おいしい井戸

西条で酒づくりがさかんになったわけ
酒づくりに必要(ひつよう)な条件(じょうけん)
鉄分(てつぶん)をふくまない水
龍王山(りゅうおうざん)にふった雨が15年たって,地下水となってわき出ます。この水は,鉄分をふくまずえいよう分がたっぷりです。
寒冷(かんれい)な気候
11月から3月の気温が,広島市より2度くらい低いです。
酒づくりにてきした米(酒米)
「八反(はったん)」「雄町(おまち)」という米は,中心部にたくさんのでんぷんがあります。
酒づくりの恩人(おんじん)
おいしいお酒にするための研究・開発
明治(めいじ)時代の初期,広島では灘(なだ)などに習った醸造法(じょうぞうほう)で酒を造っていました。しかし,西条の水はこれらの土地の水とはちがう水だったため,三浦仙三郎(みうらせんざぶろう)や橋詰陽(はしづめきよし)がこの水にあった酒の造り方を研究・開発しました。

 
 
おいしいお酒を造るために
 酒づくりの条件がそろったところで,お酒を伝統の技でていねいに仕込(しこ)む(つくる)ことが必要です。お酒を仕込む責任者は,杜氏(とうじ)とよばれます。杜氏さんに酒づくりについてたずねてみました。

お酒を仕(し)込(こ)む酒蔵

 
杜氏さんの話
 酒づくりは,生き物(微生物(びせいぶつ))をあつかう仕事なので,自分の子どもを育てるようにかわいがって育てています。酒は,つくるというより育てるものと思っています。
 一番大変なのは,温度(おんど)調節(ちょうせつ)です。夜中(よなか)もめんどうをみないといけません。また,年によって気温がちがうので,長年の経験と勘(かん)を大切にしています。

酒まつり
 酒まつりは,毎年10月上旬にJR西条駅前一帯で開かれています。全国各地から20万人以上の人々がおとずれます。酒まつりの2日間は,たいへんにぎわいます。
 『西条』の伝統的な酒づくりがこれからも大切にされ,全国の多くの人々に味わっていただきたいですね。

酒まつりでにぎわう町

 お酒づくりには,伝統の技が必要なんだね。酒蔵を見学してみたくなったよ。