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解題・説明
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この資料は平成9年3月24日に鈴木泰平より寄贈されたもの。 資料は、ビクトル・ユーゴー作「エルナニ」の第一幕第一場から第二場の途中までの、羯南訳「英兒拿尼」432字詰原稿用紙(24字18行)17枚である。新聞『日本』には、明治27年8月29日から笠亭主人訳の「戯曲エルナニー」が連載され、同年9月25日の10回で終っている。この笠亭主人訳と比較すれば、羯南訳が数段優れているといえよう。この羯南訳は、『日本』に掲載されていない。 三宅雪嶺の談話「陸羯南の面影」(『国民新聞』明治40年9月6日)に、〈若い時分にはヂユマの『椿姫』を読んで翻訳をしやうと為た事もあつた相だ。〉とみえるが、これとは異なるようだ。 『子規全集第13巻小説紀行』(講談社、昭和51年9月)には、子規自筆原稿から翻刻した子規訳「レ・ミゼラブル十一」が掲載されている。ちなみに、子規の「レ・ミゼラブル十一」原稿用紙は、「英兒拿尼」に使用された原稿用紙と同じと思われる。しかし、子規と同様に、この原稿の執筆時期は特定されていない。(舘田勝弘) 【参考文献】 舘田勝弘「陸羯南訳ビクトル・ユーゴー作「英兒拿尼」」(『郷土作家研究』第36号、平成26年3月)
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