解題・説明
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本史料名の「磁石」は磁石の指北性を利用した方位測定器である。とくに近世日本では、十二支の目盛を通常の逆回りにきざみ、目盛の子午線を船の中心線に平行におけば磁針のさす方位が、ただちに船の進行方位を示すので和船の航海に重用された。「見当」は大体の方向・方角を指す。本図では、岩木山の箇所に磁石が描かれ、岩木山と弘前を中心として、領内の主たる町村、海岸筋の要所、藩境の山がそれぞれどの方向にあるのか、相対的な位置関係を示したものである。海及び秋田・盛岡藩領は彩色されて区分されている。海岸線及び藩境は赤線で補足の線が入る。(浪川健治)
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