解題・説明
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文政5年(1822)、盛岡藩士の梅内祐訓により著わされた南部家の事跡を記した書物。弘前市立弘前図書館本は上・下巻の二冊よりなる写本で、下巻表紙に「奥州盛岡藩主南部氏系図并事跡」と註されている。上巻は清和天皇より37世までの系図と1世光行より25世晴継までの事跡、下は26世信直・27世利直の事跡を記す。上巻冒頭の凡例と引書目録により、多くの旧記書物をもとに編纂されたことが知られる。15世紀の南部氏と安藤氏の抗争、および16世紀に至る三戸南部氏の動向がうかがえるほか、「九戸御陣御人数積」を載せるなど、室町期から戦国期の北奥地域を知りうる史料である。(武井紀子)
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