この時、伊達・最上氏のように、すでに大名権が確立している大名は、惣無事令以前に領国がそのまま安堵され(,九戸合戦がそれを示すように、この段階では佐竹氏のように領内に指出を徴収して家臣知行制を実施できるほどの大名権,これらの大名は、大名権の確立が未成熟であったため、豊臣政権によるてこ入れが必要とされ、領知朱印状の発給,資料近世1No.二四)、その本質は、没収地を新たに知行地として給与するためのものであり、もう一つは、大名権,つまり、大名権が確立された大名については、検地は実施されなかったのである。

また、これらの地域の領主は、大名権の確立が未成熟な大名が多く、豊臣政権による統一的な課役の負担は、彼らの

青森県埋蔵文化財報告書第102集　境関館遺跡発掘調査報告書』1987年　青森県埋蔵文化財調査センター刊 図59 小林清治「大名権力