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弘前市立弘前図書館/おくゆかしき津軽の古典籍
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通史編2(近世1)
(「標符(通帳)」の形態と呼称)
「
標符
(
通帳
)」の形態と呼称 藩札の性格を持ち、
通帳
として使用された
標符
の形態はどのようなものだったのだろうか,
標符
(
通帳
)を切り分けたのか、「切
通帳
」というのを切り分けたのか判然としないが、一枚ものの小札であることに,次に、
標符
の名称についてであるが、これまでみてきたところから、
標符
以外に「
通帳
」「諸品
通帳
」の呼称があり,「徧覧日記」では、知行取藩士に渡すのは「
通帳
」であるが、その表書きは「
標符
」であり、町・在の
標符
は「諸品
通帳
,そして十二月以降は「
標符
」の呼称は、制度的にも「
通帳
」となり、表書きには「諸品通」(もしくは「諸品
通帳
/ 「
標符
(
通帳
)」の形態と呼称
通史編2(近世1)
(宝暦五年の米切手と標符(通帳))
宝暦五年の米切手と
標符
(
通帳
) ここで、従来「
標符
」として紹介されてきた、宝暦五年(一七五五)の米切手,と本来の
標符
(
通帳
)との関係について整理しておく。 ,「小通」「切
通帳
」「切手形」の可能性もあるが、大きさ(たて三〇・四センチメートル、横一三・三センチメートル,(
通帳
)との関係である。,(詳しくは、瀧本壽史「弘前藩宝暦改革における『
標符
(
通帳
)』の形態について」『弘前大学国史研究』一一一 / 宝暦五年の米切手と
標符
(
通帳
)
通史編2(近世1)
(「標符(通帳)」通用の実態)
「
標符
(
通帳
)」通用の実態 これまでみてきたように、藩は
標符
によって正金銀や米穀をはじめとする諸物資,「上は勝、下は次第に詰将棋、何(イツ)か
標符
ハ金となるやら」という狂歌は、
標符
によって藩庫が潤ったにもかかわらず,
標符
発行後の一、二ヵ月は各店に行けば品物も相応に
標符
で購入できた。,文字や判を巧みに偽造して作った偽
標符
や、極めて信頼性が高く商品をすぐ購入できる「別段
標符
」が出回った。,さらに、上納すべき金銀米銭を持たない「小商人ならひニ職人」には
標符
が与えられず、
標符
の流通範囲から除外 / 「
標符
(
通帳
)」通用の実態
通史編2(近世1)
(「標符(通帳)」発行の前提と経過)
「
標符
(
通帳
)」発行の前提と経過
標符
は大きくは藩札の範疇(はんちゅう)に入り、領内に流通させることで,しかし、それが
通帳
とも呼ばれ、実際
通帳
の形態をとったのは、それによって領内の物資を配給する役割をも付加,つまり、
標符
がそのまま紙幣として通用するものではなかったことから、その実施に当たっては、多くの関連施策,なお「
通帳
」の読み方は、史料上「通」のみで出てくることも多く、歴史用語としてはその実態からも「かよいちょう,このような中、同年九月、一五ヵ条にわたる
標符
発行にかかわる関連施策が、これ以前に出された施策も含めて「 / 「
標符
(
通帳
)」発行の前提と経過
通史編2(近世1)
(改革の終焉と成果)
しかし、この過程で発行された「
標符
(
通帳
)」によって領内の経済・流通が混乱したことから、改革は挫折することになる,
標符
(
通帳
)の流通は宝暦七年(一七五七)七月一日をもって停止されたが、これに先立つ同年六月二十三日、
標符
発行,こうして、
標符
(
通帳
)発行に伴って定められた貸借無差別令や銀遣いも廃止され、すべて改革以前に復帰した。,なお、
標符
(
通帳
)が停止される直前の同七年三月、経済的混乱のただ中にもかかわらず、乳井貢は新知千石を与,
通帳
)をはじめとする経済政策の前提として実施された諸調査は、改革の成果としてとらえることができよう。
通史編2(近世1)
(銀遣いへの変更と商人の活用)
いわゆる「
標符
(
通帳
)」の発行である(以下の記述は長谷川成一「弘前藩における藩札の史料収集と研究」日本銀行金融研究所委託研究報告,なお、
標符
発行にかかわる乳井貢の貨幣観や思想については、本節一を参照いただきたい。
通史編2(近世1)
(改革推進体制の構築)
にゅういみつぎ)への権力集中 宝暦五年の大飢饉は藩政の動向に大きな影響を与え、改革路線は後述するように、「
通帳
,(かよいちょう)(
標符
(ひょうふ))」の発行を中心とした政策に移っていくが、その実現を可能にしたのが、,「
標符
」発行は、「無格」となる一ヵ月前の九月十五日であった。
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