気象施設と観測資料

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日本国内には、気象観測施設である気象台や測候所が約一六〇ヵ所ある。また約一三〇〇ヵ所に自動観測施設があって、これを地域気象観測システム(AMeDAS=アメダス)といっている。アメダスが整備される以前は、農業気象観測所など委託観測所が配置されていた。ほかに青森地方気象台・弘前気象通報所(一九五八~一九八三年)が現在のアメダス地点にあって、水理・水害業務のため地上気象観測通報を行っていた。これらの施設から得られた観測資料は、防災関係から気象情報または地域復興のための気象調査に広く利用される。
 県内では、青森地方気象台(統計開始年一八八六)、むつ測候所(同一九三四)、八戸測候所(同一九三六)、深浦測候所(同一九三九)を併せて、三三ヵ所のアメダス観測点があり、このシステムは昭和五十二年(一九七七)から展開された。積雪地帯には、降雪・積雪の深さを測る有線ロボット積雪深計の設置個所がある。図中の空港出張所は航空業務を行う施設で、地上観測施設とは別になっている(図58)。

図58 青森県内気象官署および観測所配置図

 このような各施設の観測値(気温、降水量、風など)は、毎月「青森県気象月表」に記載され発行される。ただし、気象官署資料とアメダス資料は、観測種目、統計年数、測器の型あるいは観測点の移設などがあって、均質な資料として単純比較できないものもある。
 なお、気候的に用いられる「平年値」とは過去三〇年間の平均値で、西暦年で一〇年ごとに統計改算されている。例えば、最新の平年値は、一九六一~一九九〇年のもので、その前は一九五一~一九八〇年のものである。ところが国によっては三〇年ごとに改算しているところもある。また、気象庁では同種の観測内容であれば、観測年数が二四年以上の場合は平年値扱い、八年以上二三年までは準平年値として扱うとしている。これより短い統計値は「五ヵ年平均値」といった使い方をしている。