自然保護か活用か

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その後、青森県が白神山地保全・利用について計画を策定し、国も白神山地世界遺産地域管理計画を策定、青森側の入山は既存のほか二七ルートに規制、秋田側は原則禁止となった。しかし、入山規制・禁止問題は白神山地を生活舞台とする人々の歴史と生存権にかかわるとし、また、自然再生の摂理にもとる独善的手段と根深らは批判、平成十五年(二〇〇三)、登山目的の入山は許可制から届け出制に変更された。平成十六年、環境省は、世界遺産地域の全域を含む白神山地一万七一五七ヘクタールを国の鳥獣保護区に指定、マタギ小屋は破壊され、山とともに生きてきた地元の人々が山から閉め出された。自然保護か活用か、白神との共生をいかにすべきか、これらが解決すべき問題として残された。