鉄道唱歌は明治三十三年に作られ、全国を風靡した。それにならって青森県でも明治三十四年に歌詞がつくられている。こうした音楽と、ラジオ歌謡とか演歌などを含めたポピュラー音楽との区別はつけがたい。また、流行歌の性格上、地域性は限定できない。強いて地域性を論ずるなら、ブルースの女王淡谷(あわや)のり子、菅原都々子(すがわらつづこ)(「月がとっても青いから」)、奈良光枝(ならみつえ)(「青い山脈」)などの青森県出身の歌手を挙げ、陸奥明(むつあきら)、上原(うえはら)げんとなどの作曲家や、《赤いりんご》など津軽に関係する歌の歴史を考察することであろうが、この稿では省略する。