ブラジル開拓の父

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排日運動に憤慨した光世は日本民族発展の地を求めて、大正二年(一九一三)、ブラジルに渡る。各地で日本人移民が開拓で苦労し、排日の迫害を受けているのを見かね、ベレンに居を構え、柔道とは別の夢、アマゾン開拓の夢の実現に命を懸けた。光世は「勝負の真理は正道に従って進むことである。アマゾン進出もこの正道によらなければならぬ。これは私の堅い信念である」と述べている。民族の誇りを胸に、一度も日本に帰ることなく、昭和十六年(一九四一)、ベレンで永眠した。