紙本墨書大般若経 附唐櫃六合
【指定区分】 | 国指定 |
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【種別】 | 書跡 |
【所在地】 | 種生 |
【指定年月日】 | 昭和37年2月2日 |
解説
大般若経全600巻のうち第46・80・280・287・412巻を欠く、595巻が残存している。黄褐色の楮紙に墨書で記され、巻子本を折帖へと改装している。書写年代は天平期に始まり平安・鎌倉・江戸期にわたるが、平安期の書写が中心である。第91巻(写真)の「天平宝字二年歳次戊戌(758) 十一月 奉為伊勢大神 願主沙弥道行 書写優婆塞円智」の奥書などから、奈良期の山岳修行の在り方や雷神・風神及び伊勢大神信仰の様子を示す資料として注目される。経櫃は檜柾製の唐櫃6合で、縦34.5cm、横45.0cm、深さ49.5cmを測る。黒漆塗覆蓋四脚付の唐櫃には「貞和三(1347)倶尸羅郷」の墨書銘がある。