解題・説明
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昭和30年(1955)、庄内町筒野(現、飯塚市筒野)土取の際に筒野経塚で発見されたもので、素掘りの穴に安置されていたと考えられます。鋳銅製有節経筒で下半分を欠き、筒身と蓋は錆着し離れません。筒身の上部に二条の凸線を巡らした痕跡がみられ、蓋には二条の沈線がみられます。経筒の形態から経塚の造営年代は1130年から1152年の間と考えられます。 内部に納められていた経巻は紙本墨書経で妙法蓮華経が書き写されていました。現在「妙法蓮華経巻第三 薬草諭品第五 三」から「妙法蓮華経巻第八」が残っており、奥書に花押と思われる文字が見られます。
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