解題・説明
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白銅質で鋳上がりも良い。内区に8弧の連弧文があり、鈕の周囲に十二曜文を配している。銘帯には漢隷による35字の銘文があり、脱字が1字ある。銘文の意味は、この世の無事息災、不老長寿を祈る、いわゆる吉祥の言葉である。 (銘文) 日有喜月有富/樂毋事常得意/美人會竽瑟侍/賈市程萬物平/老復丁死復生/醉不知醒旦星 (釈文) 日に喜びあり、月に富あり。/毋事を樂しみ、常に意を得。/美人會して、竽瑟侍す。/賈市程々にして、万物平らかなり。/老丁に復し、死生に復す。/醉いては知らず、旦星に醒む。
※竽瑟は竹製の竽と木製の瑟を指し、戦国時代より漢代にかけて盛んに使用された楽器のこと。
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