解題・説明
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白銅質で鋳上がりは良い。鈕の周囲に十二曜文を配し、内・外二つの銘帯がある。銘文は外銘帯35字、内銘帯23字によって表されている。脱字は各銘帯に13字、内銘帯に1字ある。銘文は「楚辞」の文辞をとり、失意の心境を託したものである。 (外銘帯銘文) 絜精白而事君/惌沄驩之弇明/伋玄錫之澤流/恐疏遠而日忘/懐糜美之窮𠷸/外承驩之可兌/思窔佻之令京/願永思而毋絶 (内銘帯銘文)/内清質以昭明/光煇象夫日月/心忽揚而願忠/然壅塞而不泄 (外銘帯釈文) 精白を潔くして、君に事えしも、/驩を沄がれ、明を弇われるを惌む/玄錫の流澤を伋し、/疎遠にして、日に忘らるるを恐る。/糜美の窮𠷸を懐い、/承驩の説ぶべきを外にし、/窔佻なる令京(靈京)を慕う。/願わくは永えに思いて絶ゆる毋らんことを。 (内銘帯釈文) 内は清質にして以て昭明なり。/光煇は夫の日月に象たり。/心は忽ち揚がりて忠を願う。/然れども壅塞して泄らず。
𠷸...正しくは口へんに豈
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