解題・説明
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今治市指定有形文化財(平成四年三月四日指定) 江戸時代前期 1双 伝狩野尚信筆 (右隻)169.7×371.9cm(左隻)169.6×372.1cm 【解説】右隻の画面中央には雨中の草庵で読書をする高士が、画面左下には傘を差して草庵を訪ねる人物が描かれている。左隻には、湖上に浮かべた舟の上で琵琶を弾く女性と皇帝らしき人物、眠る部下たちの姿が描かれている。中国を舞台としながらも日本的な風情を醸し出す場面選択と、余白と墨のにじみを生かした潤いのある筆使いに尚信の特徴が遺憾なく発揮されている。 【狩野尚信について】(かのうなおのぶ)江戸初期の画家。慶長一二(1607)-慶安三(1650)年。狩野探幽の弟。寛永七(1630)年には幕府御用絵師となり、木挽町狩野の始祖。 参考文献:『日本美術史事典 石田尚豊ほか監修 平凡社 1987年』 【解説協力】今治市河野美術館:愛媛県今治市旭町1-4-8
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