解題・説明
|
下伊那郡阿南町新野。八月十四日から町の市神様にたつ踊り屋台を中心にし、音頭取りの唄声につれて、人々は道なりの長い輪になって踊り明かす。力強い手踊りの「高い山」「十六」、扇を使って優雅な「すくいさ」「おさま」「音頭」「おやま」などの曲が踊られる。そして十六日の夜を踊り明かして十七日の朝明け、踊り神送りとなる前のしばらくは「能登」を踊る。やがて、踊り屋台のほとりに飾ってあった新盆の切子燈篭を村境で焼いて踊り神を送り、「秋歌」をうたって帰る。これで来年の盆までは盆踊りの唄も踊りも全くしない。 盆踊りは新盆のみたまを迎え、それを慰めるため村人がともに踊るもの。その心が各地に生きているのはうれしい。また、各地に伝わる古い民謡が、盆踊りにうたい継がれていることも心ひかれることである。 町の中心。市神様にたつ踊り屋台。画像1。 盆踊りは「すくいさ」で始められ、以後6種類の踊りが音頭取りによって朝までくり返される。画像2。
|