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内容
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包丁式と饗宴の礼を主とした式法解説書。漢字かな交じり、絵図(一部彩色刷)入り。「式法之大要」「民家婚姻之部」「包丁之部」「饗膳之部」「料理之部」より成る。特に料理伝書の部分、記事詳細。巻頭に「生間家歴代略譜」あり、それによれば生間(いかま)家は古来礼法を以て鎌倉足利織田豊臣に仕える。近世初頭に秀吉の命により八条宮智仁親王に附属、以後代々桂宮家に仕え、将軍家の大礼・朝鮮通信使の盛餞・将軍上洛時の饗応に奉仕する。明治14年、桂宮家断絶後、市井で礼法を教授する。略譜の末に水嶋卜也の流儀と生間流を詐称した高橋又市正易を批判する。自序によれば、維新後古法古式の妄説が流布するのを嘆き、家伝の秘事口伝を抜粋し、古書と俗伝の誤謬を正すために公刊したという。
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