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内容
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諸国の門人及び諸家より寄せられた本草学に関する質問（面談・書通）に山本亡羊（ないし榕室）が答えた問答を榕室が記録したもの。漢字カナ交じり。書名は、陳太丘の家を客が訪れた時、子の元方・季方に飯を炊くよう命じたが、太丘と客の議論を盗み聞き（竊聴）して、飯に籠（箄）を着けることを忘れ、飯が釜の中に落ちて粥となってしまった故事による（世説新語夙慧篇に見える話で巻１見返に墨書引用あり）。一部、質問書簡の実物を貼付する。各冊の成立年・質問者・備考、以下の通り（配列は冊数ラベルに従う）。１：天保３～４年。田中成允（寛大夫）・木部村下村宗七郎・持明院少将・上原董益・東園中将等。２：天保２～３年。勢州相可西村広休君典。３：天保３～４年。西村広休。４：天保４～５年。西村広休・佐久間清記・瀧中書。５：年不明。村松・駒沢宇右衛門・阿州肥善水。瀧栄の質問書簡を添付。６：年不明。西村・岩永文禎・井阪礼太郎・太田三折・瀧中書等。７：年不明。西村三郎右衛門・井阪・須山・津田仙山・大田三折等。紙背に飛脚問屋布屋治郎右衛門等の請取等あり。８：年不明。西村・津田仙山・井阪・梅阪元周。９：年不明。西村・井阪・大阪中川修亭・滋野井大納言公敬・三神元吉等。１０：年不明。奥常陸大掾・井阪・西村・須山・笠戸恕節等。１１：天保１２年。西村・安原東泉・井阪・光西寺玄妙・若村基三等。１２：年不明（本草啓蒙の活字板刊行事情を報ずる書簡の写しあり、天保１４～５年か）。西村。紙背に百品考の巻上２０丁目の試し刷りあり。１３：天保１４年。西村・江馬春嶺・山本安暢・野田源一郎・井阪等。１４：天保１４～５年。江馬春齢・井阪・曲直瀬養安・大垣飯沼慾斎・野田源一郎等。１５：弘化２年。江馬春齢・東園中将・宮永理兵衛・水野源之進・小島春庵等。１６：弘化３年。江馬春嶺・麻田遠江・西村・黒田老侯楽善侯・豊後高田片多甚介等。１７：弘化３年。山本安暢・佐井聞庵・西村・江馬・一条公等。１８：弘化４年。西村・松尾左兵衛・阿比・前田郡八・阿州乾純水等。１９：年不明。西村三郎右衛門・一条公・川北・堀田・阿州乾純水等。紙背に「一六百七十二匁 板木彫刻八十四丁」等の書籍出版費用を記した数紙あり。２０：嘉永元年。西村・福井近江守・いせ山田幸福衛門・江馬・白井左仲等。薩州山田一郎左衛門質問書簡貼付。２１：嘉永元年。西村広休・能州羽咋郡村松保太郎・摂州大坂堀田辰之助・阿州七条文道藤原清香・原近江介等。２２：嘉永元年。土州金剛院・岡恵三郎・杉浦減斎・津田市郎左衛門・阿州乾純水等。水中微生物の顕微鏡拡大図７図を収めた銅版一枚刷（嘉永元年６月、皇都土田英章識。平安亡羊山本先生閲。洞津櫟斎岡安友刻。華洛春灯斎岡田義房銅鐫）貼付。２３：嘉永２～３年。岡恵三郎・川北・西村・須山三益・飯沼慾斎等。巻末に嘉永２年１１月、亡羊識示とある「同居合貲之大略」文あり、親と同居する子で２０歳以上の者は月に一人金２歩ずつ支払うべきことを説く。錫夫の附記書簡文あり。２４：嘉永３年。西村・江馬・賀川亨吉・川北寄之助・浦野保生院等。２５：嘉永４年。西村・山澄甫庵・賀川享吉・水戸鵜飼吉左衛門・田中盛美等。千歳魚（マンボウか）の刷物貼付。貼付の某人質問書簡に榕室書入あり、亡羊・榕室の号の由来を記す（榕室は榕樹の盆栽があるから）。２６：嘉永４年。西村・賀川弥三郎・深海立助・河合言順・吉川大五郎等。２７：嘉永５～６年。西村・大口金谷・岡嘉平次・井阪・平田景順等。百品考三編の刊行遅延の事情説明あり。２８：嘉永６～７年。西村・水谷主計・桂以中・島田雅喬・土井一郎等。２９：文久元年。質問は別筆で質問者不詳。榕室答。３０：年不明。内容は「亡羊山本先生重修本草綱目啓蒙増補正誤」（男錫夫謹録）・「重修本草綱目啓蒙増補答質」（門人勢州西村広休問、亡羊山先生答、男錫夫謹録）。３１～３：安政３～４年。表紙に「丙辰勢遊之一（二）」「丙辰勢遊之後」とあり。西村氏との答問書及び榕室の雑記類の紙片を貼り込む。３４：安政４年。西村・一条公・山本泰淵・原近江介・阿波桐谷乾純水等。３５：安政３～４年。西村・山本泰淵・一条公・伊藤浚明・目附方山田清三郎等。３６：以下３冊は外題「日省簿」、諸家の来訪や書通、入門の記事を主とした日記。榕室筆。天保１３年７月１４日～弘化３年４月２９日。天保１３年１１月９日、復一郎髪置宴。弘化３年２月朔日、水野源之進（皓山）卒。３７：嘉永２年正月元旦～同５年閏２月９日。嘉永５年２月１８日、榕室母卒。３８：嘉永５年閏２月９日～安政４年３月１０日。嘉永６年６月晦日、百品考二篇三篇官許。同年１１月７日、百品考刻成価九両二歩三匁五分。同７年６月８日、富山侯賜薬名録六冊。
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