内容
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近世初頭より前期にかけての武将逸話集。諸家の見聞談を集めた聞書。各条の末に話者名を注記する。漢字かな交じり。取り上げられる武将【話者名】は、宇喜多秀家【中川重興】、石谷十蔵(貞清)・長曽我部盛親【上野勝豊】、石谷十蔵【同】、石谷土入(貞清)【金子嘉秀】、井伊直孝【冨森正因】、結城秀康【関口正盛】、笠井肥後(武田勝頼の身代わりとなって討死した家臣、孫利左衛門は井伊家に仕える)【並河】、東常縁・宗祇(常縁が小倉色紙100枚を所持、宗祇に50枚を譲るが、宗祇は知り合いに分け与え、その配慮により色紙が後世に残る)【上野勝春】、酒井忠清【金子嘉秀】、鍋嶋勝茂【下河原一長】、渋谷美濃守(戸田左門家臣)【日夏能忠】、福島丹波(福島正則老臣)【同】、森蘭丸【同】、毛利秀元【同】、谷大膳(信長家臣)【谷家伝説】、森豊前守(秀吉家臣、毛利勝永)【同】、福島正則の近臣と茶道(罪を得て櫓に入れられた近臣に、嘗て恩を受けた茶道が食を届ける)【堀貞則】、坂崎出羽守【冨森正因】、雨宮十兵衛(綱重の家臣)【松平康共】、細川玄旨(家臣に示す11首和歌)【話者不明】、宗良親王【天野信景】、耕雲魏公(南朝の旧臣藤原長親の法名、歌人)【同】、小松重盛(宋に黄金三千両を贈る)【話者不明】、豊臣秀吉(辞世和歌の話)【同】、秀吉(信長追善の寺院創立を忘れる)【天野信景】、鳥海山辺の奇談3条【話者不明】、進藤三左衛門政次(織田信長の臣乙部源次郎の子、宇喜多秀家の家臣、のち秀忠の臣となる)【杉原】、北畠信意(具教の子、具教滅亡後京に隠棲)【話者不明】、花山院の墓所の話【同】、浜松城の犀ががけの話【鈴木】、綱吉の命で阿波淡路にある天皇陵に矢来を結わせた話(元禄11年11月)【話者不明】。朱書校合書入あり。『兵家茶話』(111-25参照)よりの抄出。
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