解題・説明
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新井家住宅は新井末吉(1864-1936)が昭和7年(1932年)に迎賓館をかねて自邸として建てた純和風木造建築。小高い丘陵の敷地は約7,500㎡(約2,300坪)あり南東に池が面している。屋敷には100m以上ある白壁の土塀をめぐらせ、中央の大門を入るとみごとな松の和風庭園があり、それを囲む建物が「コ」の字型に大書院、書院、居宅の三棟で構成されている。 室内は書院造りから発展した意匠が用いられ、巧妙な組子の明かり障子や格天井など昭和初期の質の高い大工技術と豊富な材料に恵まれて、落ち着いた停まいを見せる。建物の周りには20余の灯籠や大きな庭石を置き、松、桜、百日紅、ツッジなど四季折々の風景を楽しむことができる。登録後に大書院の控えの間を茶室にしている。
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