昭和47年(1972)1月15日 第9回日本選手権試合

秩父宮ラグビー場

早大 14-11 三菱自工●

早大ラグビー連続日本一 終了3分前、劇的な再逆転

昭和46年(1971)度 第9回日本選手権試合
1972年1月15日 G:秩父宮ラグビー場 R:池田正徳 KO 14:30
早大 14 11 三菱自工京都
1 田原 洋公(③福岡城南高) 10 4 1 高橋 鉄次(岐阜工)
2 高橋 哲司(④四条畷高) 4 7 C2 小俣 忠彦(早大)
3 奥田 泰三(②洛北高) 3 小林 奈々雄(新潟工)
4 中村 賢治(②岡崎高) 2 T 1 4 中島 輝明(関西大)
5 津留崎 鉄二(④城北高) 1 G 0 5 水口 忠久(報徳学園)
6 神山 郁雄(②宇都宮高) 0 PG 0 6 谷村 久司(黒沢尻工)
7 萩原 隆男(④早大学院) 0 DG 0 7 村上 純一(同大)
C8 益田  清(④花園高) 8 松岡  智(美馬商工)
9 宿澤 広朗(③熊谷高) 1 T 1 9 乾  敏男(御所工)
10 中村 康司(③函館北高) 0 G 0 10 橋本 光夫(新潟工)
11 金指 敦彦(②下田北高) 0 PG 1 11 豊田 淳治(中大)
12 藤井 雅英(④早大学院) 0 DG 0 12 横井  章(早大)
13 佐藤 秀幸(④大分舞鶴高) 13 杉山 洋一(盛岡工)
14 堀口  孝(②早大学院) 14 14 14 松家 徳男(貞光工)
15 植山 信幸(②報徳学園) 15 橋本  博(興国商)
[トライ4点になる]

 スポーツの神様は時に粋な演出をしてくれる。日本一を決める最高の舞台で、楕円形のボールをポンと弾ませて、WTB堀口孝の手の中にすっぽりと収め、満場割れんばかりの拍手のなかに幕を下ろしてくれたのだから。

 前半5分三菱がキックの処理を誤るのにつけ込んで、早大藤井が先制のトライ、20分ゴール前相手ボールのスクラムから、三菱に出たボールを宿沢が拾い防御陣を抜いてトライ、佐藤がゴールで10−0とリード。25分三菱がスクラムのこぼれ球を谷村が押さえ10−4として前半を終了した。後半17分、三菱は橋本光が中村康のキックをチャージしてトライ、2点差に追い上げる。29分三菱橋本博が難しいPGを決めて10−11と逆転したが、早大はこれに屈せず、37分三菱ボールのスクラムからボールを奪い、金指が突っ込んでラック、「つなげー」という益田清主将の絶叫を受けて、ボールはSH宿沢、SO中村、CTB佐藤のパントから堀口へ生き物のようにつながれていった。私の座右の銘『努力は運を支配する』は、このトライから生まれた。