平成1年(1989)1月15日 第26回日本選手権試合

国立競技場

神戸製鋼 46-17 大東大

藪木を軸に自在の展開で初の日本

昭和63年(1988)度 第26回日本選手権試合
1989年1月15日 G:国立競技場 R:八木宏器 KO 14:30
神戸製鋼 46 17 大東大
1 兼平 盛輝(法大) 18 6 1 加藤  仁(②大東一高)
2 中山 敬一(同大) 28 11 2 平岡 正樹(③大東一高)
3 山下 利幸(淀川工) 3 小口 耕平(②大東一高)
4 林  敏之(同大) 1 T 0 C4 日下 唯志(④八千代松陰)
5 大八木 淳史(同大) 1 G 0 5 市川 雅一(②大東一高)
6 広瀬 良治(明大) 2 PG 2 6 須藤 幸治(④熊谷工)
7 杉本 慎治(同大) 0 DG 0 7 小原 正史(②大東一高)
8 大西 一平(明大) 8 シナリ・ラトウ(③トンガ・カレッジ高)
9 萩本 光威(同大) 3 T 2 9 原口 幸弘(②熊谷工)
10 藪木 宏之(明大) 1 G 0 10 青木  忍(③大東一高)
11 菅野 有生央(同大) 0 PG 1 11 ワテソニ・ナモア(③トンガ・アテレ高)
C12 平尾 誠二(同大) 0 DG 0 12 鈴木  賢(③大東一高)
13 藤崎 泰士(早大) 13 落合  滋(③和光高)
14 竹本 信義(大商大) 14 高田 国芳(④大東一高)
15 綾城 高志(同大) 15 戸野部 晃典(③岐阜工)

 神鋼の見事な展開ラグビーが大東大を翻弄した。林、大八木、平尾の同大三羽烏が率いる神鋼が社会人を制したが、私が驚いたのは明大から入ったSO藪木の活躍だ。藪木は明大ではSH。神鋼では判断力とボールさばきのよさを買った平尾が、ポジションチェンジを勧めたと聞くが、これだけ活躍するとは思わなかった。まさに神鋼躍進の原動力で平尾、藤崎、綾城らを自在に動かして見せた。神鋼2PG、大東大1PG、1DGの6−6で迎えた前半33分、神鋼はモールサイドを藪木が鋭く突破、フォローした平尾がトライ(ゴール)。39分にもモールから藪木が左へダミーランし、右に走り込んだ平尾が抜いてトライ(ゴール)。この2つのトライで勝負は決まった。後半、大東大も2トライを返す健闘ぶりを見せたが、神鋼はFWがボールを連取、早い球出しでBKを走らせて4トライをあげて46−17で完勝した。

 前半32分に大東大HO平岡が見せた30メートルのDGには驚かされた。HOのDGは世界でも珍しい記録だろう。