令和6年(2024)1月13日 令和5年(2023)度 第60回大学選手権決勝

写真
国立競技場
帝京大 34-15 明治大●
対戦日2024/01/13 (土) Kick off15:19
競技場国立競技場 観客数18,374人
天候晴れのち雪/微風 グラウンド
状態
良い
ドクターMDC:北 俊典/MDD:長谷川 淳、松隈 卓徳
記録係佐伯直宣
レフリー関谷惇大(日本協会A)sign
アシスタントレフリー

大内想太(関西協会)

大澤昂平(関東協会)

加古大樹(関東協会)

マッチコミッショナー陶久 昌明sign
TMO谷口 浩司
タイムキーパー市原 義之
帝京大学
# Name(cm/kg/Age) Pos.
1 津村大志(174/108/22) FW
2 江良颯(171/102/22)
3 上杉太郎(176/113/22)
4 本橋拓馬(192/118/21)
5 尹礼温(185/104/22)
6 青木恵斗(187/110/21)
7 奥井章仁(178/105/22)
8 延原秀飛(182/104/22)
9 李錦寿(174/80/21) HB
10 井上陽公(175/81/22)
11 高本とむ(182/88/22) TB
12 大町佳生(172/82/19)
13 戒田慶都(180/86/22)
14 小村真也(180/89/21)
15 山口泰輝(177/90/22) FB
16 當眞蓮(174/100/21) Re.
17 梅田海星(177/113/21)
18 森山飛翔(180/108/19)
19 ダアンジャロ・アスイ(188/112/21)
20 カイサ・ダウナカマカマ(183/112/20)
21 上村樹輝(167/70/21)
22 本橋尭也(182/85/19)
23 五島源(174/85/21)

※背番号の白抜きはキャプテン

明治大学
# Name(cm/kg/Age) Pos.
1 床田淳貴(178/102/22) FW
2 松下潤一郎(172/99/22)
3 為房慶次朗(180/111/22)
4 山本嶺二郎(191/111/21)
5 佐藤大地(183/100/20)
6 森山雄太(182/98/22)
7 福田大晟(173/95/21)
8 木戸大士郎(185/104/21)
9 萩原周(173/76/22) HB
10 伊藤耕太郎(176/85/22)
11 海老澤琥珀(173/78/19) TB
12 廣瀬雄也(179/94/22)
13 秋濱悠太(174/85/21)
14 安田昂平(181/87/21)
15 池戸将太郎(180/92/22) FB
16 西野帆平(176/104/20) Re.
17 中山律希(169/108/22)
18 富田陸(182/120/19)
19 田島貫太郎(195/98/20)
20 利川桐生(181/101/20)
21 登根大斗(165/72/21)
22 平翔太(175/90/20)
23 山村和也(182/80/19)
得点
HomeAway
前半後半前半後半
22 T 20
22 G 10
00 PT 00
02 PG 01
00 DG 00
1420 123
34合計15
反則
PKFKPKFK
32 前半 41
20 後半 60
52 合計 101

Home 交替/入替

種類時間背番号
入替 後半9分 4 → 20
入替 後半23分 12 → 23
入替 後半26分 8 → 19
入替 後半33分 1 → 17
交替 後半33分 9 → 21
入替 後半34分 3 → 18
入替 後半39分 15 → 22
入替 後半39分 2 → 16

Home 一時交替

時間背番号内容

Away 交替/入替

種類時間背番号
入替 後半21分 1 → 17
入替 後半28分 6 → 20
入替 後半33分 2 → 16
入替 後半34分 3 → 18
入替 後半34分 11 → 23
入替 後半39分 9 → 21

Away 一時交替

時間背番号内容

Home カード/処分

種類時間背番号内容

Away カード/処分

種類時間背番号内容

得点経過 前半Kick off : 明治大学 /後半Kick off : 帝京大学

前半チーム名#.Name
3分 帝京大学 11.高本とむ T 5 - 0
4分 帝京大学 15.山口泰輝 G 7 - 0
26分 帝京大学 2.江良颯 T 12 - 0
28分 帝京大学 15.山口泰輝 G 14 - 0
35分 明治大学 13.秋濱悠太 T 14 - 5
36分 明治大学 12.廣瀬雄也 Gx 14 - 5
39分 明治大学 11.海老澤琥珀 T 14 - 10
40分 明治大学 12.廣瀬雄也 G 14 - 12
後半チーム名#.Name
4分 帝京大学 15.山口泰輝 PG 17 - 12
後半チーム名#.Name
8分 帝京大学 15.山口泰輝 PG 20 - 12
10分 明治大学 15.池戸将太郎 DGx 20 - 12
20分 帝京大学 13.戒田慶都 T 25 - 12
21分 帝京大学 15.山口泰輝 G 27 - 12
23分 明治大学 12.廣瀬雄也 PG 27 - 15
26分 帝京大学 15.山口泰輝 PGx 27 - 15
37分 帝京大学 2.江良颯 T 32 - 15
38分 帝京大学 15.山口泰輝 G 34 - 15

<特記事項>
【TMO】前半26分
 帝京のトライ直前のラックでノックオンの有無を確認
 ⇒ノックオンがありノートライ 
  但し明治のペナルティがあり帝京のPKで試合再開
【TMO】後半67分
 帝京のトライ直前のモールでオブストラクションの有無を確認
 ⇒オブストラクションがありノートライ 明治のPKで試合再開

※前半22:37に雷の影響により55分間中断


 今大会は関西の実力校 京都産業大と天理大がベスト4に残り、準決勝で関東対抗戦の2強に挑む形となった。天理大は王者帝京大に圧倒されることなく、前に出るタックルで互角に渡り合い帝京大を苦しめたが、最後は帝京大の自力に押し切られた。京都産業大は前年度1点差で惜敗(準決勝)した早稲田大に準々決勝で完勝し、初の決勝進出を目指して明治大に挑んだ。しかし準々決勝の激闘の疲れか、早稲田大に雪辱した達成感が影響したのか最後は力尽きる形で明治に突き放された。決勝は帝京大、明治大の再戦となった。

 明治大のキックオフで始まった試合は前半3分、帝京大が明治大のゴールラインドロップアウトのキックをキャッチした後、見事な展開攻撃を見せる。最後は11番高本が左タッチライン際で見事な個人技を見せ、明治大DF2人をゴール前で切り裂きトライを挙げ(15番山口のG成功)、帝京大が7-0とリードする。明治大も自慢のBKで思い切った展開攻撃を仕掛けSO伊藤の巧みなキックで敵陣に入って果敢に攻め、激闘となる期待が高まる。ところが年明けから続いた晴天が、この日は試合開始の後、みぞれ交じりの雨となり雷鳴が響きだした。そして前半の23分、選手の安全を優先して試合は中断となる。安全重視の考えから中断は慎重に55分間延長されるが、その後、再開された試合で、両チームに中だるみ感は全く見られず見事な試合展開となる。帝京陣でのラインアウトから明治大がFWを中心とする連続攻撃を仕掛けるが、帝京の鍛えられたDFは固くダブルタックルで明治大FWの突進を止め、最後はジャッカルで明治大の反則を誘った。26分、明治大ゴール前のラインアウト・モールを帝京大が押し、膠着しかけたところを2番江良主将がモールサイドを鋭く突いてインゴールへ飛び込んだ(山口のG成功で14-0)。これで帝京大ペースになると思いきや、明治大もSHからのパイパンとで前へ出て、自慢の展開攻撃を仕掛ける。そして35分帝京陣で効果的フェーズを重ねた明治大は大外の秋濱にパスを通し初トライを挙げた(廣瀬主将のG不成功で14-5)。その後、両チームが果敢に攻める見事な攻防が続くが、39分、明治大は帝京大のミスで得た帝京陣左ゴール前10mのスクラムから、SO伊藤が右から左へ移動しながらパスを貰い、帝京大の14番小村を引き付け、明治大の11番海老澤をフリーで走らせる。1年生ながらエース級の活躍を見せる海老澤は、帝京のバックアップをスピードで縦を突いて振り切り、インゴールへ飛び込んだ(廣瀬が慎重にGを決め14-12)。この後、キックオフ後のワンプレーで前半終了。勝敗がどちらに転ぶか分からない、まさに好勝負を予感させる展開となった。

 しかし百戦錬磨の帝京大は、思い切って攻め続けた前半の戦術を、後半は確実に勝利を得るための固い戦術に変えてきた。後半4分、8分と明治陣22m内でPKを得ると、すかさず15番山口にPGを狙わせセーフティーリードを確保する(20-12)。ところが前半BKを中心とする展開攻撃に自信を持った明治も巧みなキックを交えて帝京陣に入る。10分、明治大15番池戸が狙ったDGは左にそれたが、積極的な攻撃を続ける。しかしみぞれ交じりの雨が雪に代わり大降りとなる中、球際などでのハンドリングミスが出るようになってきた。20分、明治大のパスミスを帝京大BKに割られ、明治大ゴール前のラックから右へ展開した帝京大は10番井上から13番戒田に繋ぎ、戒田は明治大のDFギャップを見事に突きインゴールへ飛び込んだ(山口のG成功で27-12)。この流れを止めたい明治は、帝京陣30m超で得たPGを廣瀬が確実に決め追い上げを図る(27-15)。その後も明治大はDFで良く前に出てタックルし帝京大に有効な攻撃を許さない。そして26分、明治陣22m左15mのポイントでPKを得た帝京大は着実に山口がPGを狙うが、右ポールにあたり外れる。そしてその後に得た明治陣ゴール前右5mのラインアウトからモールを押し込み、5番の尹がトライをしたかに見えた。しかしTMO判定の結果、オブストラクションの反則でノートライとなる。まだ明治大に逆転の可能性を残す形となったのだが、百戦錬磨の帝京大に全く動じる様子は見られない。そして迎えた37分、先ほどとほぼ同位置からのラインアウト・モールを押し込んだ帝京大は、反則をせずに江良主将が最後尾でボールを確保し、じっくり押し込んで明治大DFを薄くした後、サイドを鋭く突いてインゴールへ飛び込んだ(山口のゴール成功で34-15)。この後、帝京大のタッチキックでフルタイムとなり、帝京大は大学選手権史上初の「2度目の3連覇」を成し遂げた。前半こそ明治大得意の展開攻撃に追い込まれそうになったが、後半は勝ちに徹してFWの強みを前面に出し、山口のPGによる着実な加点で勝利を動かぬものとした、まさに盤石の勝利と言えるであろう。

 素材に恵まれ、努力も怠らないこの両チームの主力選手達は、次のステージでも更なる精進を続けてほしいものだ。そして一人でも多く日本代表の強化に貢献してくれることを願う。