昭和30年(1955)度 第8回社会人大会決勝

昭和31年(1956)1月6日 花園ラグビー場

八幡製鉄 24-5 近畿日本鉄道●

八幡、2年連続5回目の優勝

昭和30年(1955)度 第8回社会人大会決勝
1956年1月6日 G:花園ラグビー場 R:杉本彰 KO 14:00
八幡製鉄 24 5 近畿日本鉄道
1 小林(末松)繁(東筑高) 6 0 1 森田  至(早大)
2 佐野 久利(明大) 18 5 2 蓬田 和志(天理高)
3 松尾 正勝(嘉穂高) 3 貝元 義明(関西学大)
4 内村 利久(熊本工) 1 T 0 4 増田 孝雄(天理高)
5 園田  実(常盤中) 0 G 0 5 増田 規智雄(天理高)
6 山崎 靖彦(早大) 1 PG 0 6 向出 博之(明大)
7 古川  智(小倉高) 0 DG 0 7 湯朝 尚道(尼崎高)
C8 中島 節雄(早大) 8 武田  明(尼崎高)
9 近藤 一雄(明大) 4 T 1 C9 門戸 良太郎(同大)
10 尾郷 直司(八幡高) 3 G 1 10 上坂 桂造(同大)
11 筒井  清(八幡高) 0 PG 0 11 佐藤 錠司(明大)
12 西村  寛(小倉高) 0 DG 0 12 野田 正夫(西京高)
13 土屋 俊明(明大) 13 山田 満久(西京高)
14 野見山 可邦(明大) 6 4 14 深田 広治(尼崎高)
15 佐藤 英彦(早大) 15 森田 重雄(天理高)

 八幡・近鉄時代の幕開けである。とくに八幡は黄金期に入ったといっていいだろう。早明でビッグゲームを経験し、さらにオ大、ケ大など本場のチームとも対戦した歴戦の勇士を中心に、早明の長所を生かしたタテ、ヨコにボールをつなぎまくるランニングラグビーは他の追従を許さなかった。柏鵬時代と呼ばれた大鵬と柏戸に例えれば、八幡が大鵬、近鉄はなかなか大鵬に勝てなかった柏戸というところだ。

「八幡はFWが苦闘しているので鮮やかなTBパスはなかったが、中島、山崎のFW第3列を先頭に相手の失策には待ってましたとばかりにつけこみ、守備即攻撃の手で着々トライを重ねて後半15分までに勝負を決した。期待の一戦はあまりにもあっけないものだが、武蔵、小次郎の一戦もあっけないことを思えば、勝負とはこんなものとも知れない」(朝日、鹿子木聡)と、早大OBの鹿子木さんはこの試合を巌流島の決闘に例えている。