解題・説明
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柏崎では月遅れの節句6月5日頃、えんま市が近づくと、各家庭で粽(ちまき)と笹団子つくりが始まる。出来上がった粽(ちまき)と笹団子は風通しのよい室内に吊るし、子どもは自由に食べられ、遠方の親戚にはふるさとの名物として配送された。柏崎の伝統的な粽(ちまき)は「三角粽(ちまき)」といわれるもので、正三角形に笹を中表にしてたたみ、もち米をいれてスゲで結んだ。家によっては「ベンロウジ巻き」と呼ばれる、細長い三角錐型もあった。笹団子の素地は、うるち米(6)ともと米(4)ほどの混合粉に、春先に摘んで乾燥させた蓬を搗き込んだ。中に入れる餡はつぶ餡とこし餡の場合があり、粉の割合と共に、それぞれ家庭の味があってやや違っていた。
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