概要
|
菊池市旭志弁利(きょくしべんり)にある円通寺の石門。丸い形が特徴的で、県指定重要文化財に指定されている。 円通寺は天長4年(824)、山城の国(京都府)に建てられた。時を経て衰退したこの寺を、延久2年(1070)、菊池一族の初代則隆(のりたか)が、勅許(ちょっきょ)を得て現在の場所に移し、造営した。元寇(げんこう)の猛将(もうしょう)として知られる菊池武房が寺領15 町を寄進した、という記録もあり、菊池一族の厚い信仰の中心として繁栄したことが伺える。しかし、菊池氏の衰退とともに寺院も衰え、天正年間(1573~1592)に戦火で焼き払われた。 1667年(寛文7)、玄喜和尚が熊本泰勝寺、春山和尚に伺いを立て、再興(さいこう)する。天保年間(1830~1844)の自忍和尚は唐風の石門を建て、宝池を築いて仏像を彫り、寺を修復した。 1900年(明治33)、近くの人々が本堂裏の屏風(びょうぶ)岩に88箇所の修行道を作った。近年はしゃくなげ園も整備された。本堂横の岸壁(がんぺき)には「大悲」の文字がある。 2000年(平成12)、台風、地震、交通量の増加の影響で傷んだ石門が、熊本県、旭志村(当時)、岩本区の人たちによって修復された。
|