|
解題・説明
|
鬼走りは、修正会と対儺(ついな)と村の成人式を兼ねた長壽寺の法会である。 修正会は正月に行われる除災招福、五穀豊穣を祈願する法会で、いわば年頭の祈年祭の仏教版である。古くから諸寺で三日ないし五日、あるいは七日間行われるが、現在では一日だけという地方寺院も少なくない。この修正会の結願日に参詣者が牛王宝印を頂いたり、鬼追いがあったり、真木うばいなどを行ったりする。僧侶による法会のあとで衆徒や住民によって民俗行事が行われる例が多い。長寿寺では修正会のあと鬼を追う追儺の行事がある。鬼走りともいう。(参考『新修石部町史 通史篇』より) 毎年1月に長壽寺では1年間の無病息災と村内安全を祈る修正会が行われる。 鬼走りは悪鬼を追い払う追儺(ついな)の儀式としてこの修正会で行われるものである。 この修正会は、寺院の法会の中でも、特に近在住民と関係が深いものである。 年頭にあたって、一定の期間、庄内の安全と豊穣が祈願されるが、その結願日には種々の民俗的行事が行われるのが普通であった。長壽寺では鬼走りの行事があった。長壽寺修正会の鬼走りがいつ始められたか明らかではないが、他の例から推して、南北朝時代には行われていたと思われる。長壽寺には毘首羯摩の作と伝える木製の鬼仮面一対が伝えられている。
|