解題・説明
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6世紀前半の築造とされる天王森古墳(前方後円墳)から出土。 大きな破風(雨風除け)を持つ切妻屋根の家形埴輪。屋根には6本の堅魚木が配置されており、被葬者の権力の高さを示している。 どのような建物を表現しているかは不明だが、建物の3面(妻側2面と平側1面)に壁があり、平側1面に柱が並ぶ開放的な姿をした家形埴輪は、国内でこれまで例がなく大変珍しい。天王森古墳で多くの形象埴輪が良好な状態で見つかっている中、馬形埴輪が見つかっていないことから、この家形埴輪は厩舎を表現している可能性がある。当時貴重だった馬を所持していたことをこの埴輪で示したのかもしれない。
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