井深梶之助日記 凡例
凡例
明治学院が所蔵する井深梶之助の日記を翻刻し公開するにあたって、編集方針を以下のように定めた。
-
一、原本を明治、大正、昭和の三期に分け、三巻を刊行する。各巻の記事の配列は年代順とする。
-
二、翻刻にあたっては、記事内容の忠実な活字化を旨とする。ただし、読解の便を考慮して、日本語による本文について次のような校訂をほどこす。
- 句読点を適宜施し、改行をおこなう
- 漢字は原則として通用字体とする。異体字も通用字体に統一する
- 人名については原文表記のままとする
- 仮名遣いについては原則として原文のままとする
- 合略仮名「 、ヿ」等については「こと、コト」等と翻字する。また、畳字(反復記号)については、仮名一字の場合は「ゝ」または「ヽ」、漢字一字は「々」、二字以上の場合は「〳〵」または「〴〵」に統一する
- 数字および各種記号、括弧、傍点、傍線等は原則として原本通り再現する。図形についても原本の再現をめざして作図する
- 抹消、訂正のうち翻字が必要と判断される箇所については、見せ消ち線等原本の記載を再現してこれを残す。ただし、単なる書き損じ類については除外する
- 誤字、脱字等で文意が不明な場合には本文右傍に[ママ]と付記し、正字が明らかなものについては本文右傍に[ ]を付して補正する。また、脱字と思われる箇所については[ ]をもって本文を補い、衍字については[衍]を本文右傍に注記する。なお、読解に支障のない限りでの当字や当時の慣用に属する表現については、原文のままとする
- 欄外記入については[欄外]と注記して翻字する。ただし、本文の続きが欄外にまで及んだと判断される場合には本文にふくめる
- 通年日記帳使用の場合、本文記載のない日付については[記載なし]と注記する
- 原本の破損等により判読不能な場合には、予想される該当字数を□□で示す
- 三、英語による本文について次のような校訂をほどこす。
- 数字、カンマ、ピリオド、サイドライン等は原則として原本通り再現する。図形についても原本の再現をめざして作図する。また頻出する人名の省略表記は文脈上明らかであれば、補足せず原本通り再現する
- 抹消、訂正のうち翻字が必要と判断される箇所については、見せ消ち線等原本の記載を再現してこれを残す。ただし、単なる書き損じ類については除外する
- 本文を補訂する場合、[ ]を用いて筆者による補足( )と区別する。ただし、確定的でない場合には[?]とする。また、判読不能な箇所については[判読不能]と記載する
- 英語による日記文については日本語訳を付載する。日本語訳は校訂した英文を訳出する。訳者による補足は[ ]で挿入する
- 日本語訳中の人名と肩書の表記については、文脈にふさわしいものを採用する
-
四、日本語による日記に一部英語によるものが混在する場合、英語文を当該箇所に掲出し、日本語訳を付載する。ただしYMCAやSS(日曜学校)等の語句については、そのまま翻訳せずに用いた。
-
五、本書各巻に人名索引を付録する。人名の抽出にあたっては、キリスト教界や明治学院関係者等、井深梶之助と関わりのふかい人物を中心とする。また、家族、親戚については一部の人物のみとする。
-
六、年月日表記については原本のままとする。ただし、解題等においては西暦と和暦の併記を原則とする。
-
七、口絵、扉および解題中に掲載する写真は、注記をおこなわないかぎりすべて明治学院歴史資料館所蔵である。扉写真は当該日記に関連する当時の写真資料に加えて、日記原本等を撮影したものを用いてかんたんな説明を加える。
-
八、右記以外の編集上の重要事項については、必要に応じて解題等で言及する。
付記
本書の日記本文には、今日的な人権意識に照らして適切さを欠く記述がふくまれている。編集委員会としては、これをそれぞれの時代における社会通念の反映とみなし、あえてそのまま公開することに史料的な価値があるものと判断した。明治学院および本書に関わるすべての者として、もとより差別的な言辞を肯定し、またそれを助長する意図はまったくない。むしろ本書中の記事が正当な歴史的検証を受けることにより、平等で健全な社会と国際関係を構築する一助となることをつよく願うものである。
「井深梶之助日記 翻刻・公開プロジェクト 編集委員会」