居屋敷

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 旗本・御家人は主君である徳川氏の居城・江戸城の城下に集住することが決められており、その住まいとする土地は幕府から与えられた(本章二節一項「旗本・御家人の定義と概要」参照)。それは幕府よりいただいた屋敷地という意味で、拝領屋敷(はいりょうやしき)という。
 旗本・御家人の拝領屋敷は、大名が上(かみ)・中(なか)・下屋敷(しもやしき)など複数の拝領屋敷を所持したのに対して、一か所のみ所持する者が大半で、通常はそれが当主の住居となっていたので居屋敷(いやしき)と呼ばれた。
 ただし江戸時代後期になると、武家同士で拝領屋敷地を交換する相対替(あいたいがえ)が盛んに行われるようになったことなどを背景として、居屋敷以外の拝領屋敷を所持する者や、また反対に居屋敷を所持しない者も少なくない状況になっていった(本項「相対替」・「拝領屋敷の売買」参照)。