町内会の規模については、表3―2―3―2のようにいずれの地域でも一〇一人から三〇〇人からなる団体が多いが、芝区では一〇〇人以下の町内会も全体の四〇パーセント弱確認できる点が特徴的である。
町内会が実施する事業について昭和九年の調査資料に即してみると、表3―2―3―3のように、衛生に関する事業を行っている町内会が最も多く、次いで慶弔、祭事、夜警などの地域の親睦や保安に関する事業、出征や凱旋、入退営などの兵事に関する事業を担っていた。なお昭和二年に東京市内の一四三町会に対して実施されたサンプル調査では、町内に町会は存在するが衛生組合は存在しない事例が一四三団体中一三二団体で、町会のなかに衛生組合を組み込んでいる事例が七団体、町会と別に衛生組合を置いている事例は四団体(東京市編 一九二七)と、戦間期までにほとんどの衛生組合が姿を消し、その事業が町内会に引き継がれていたことがわかる。
表3―2―3―1 町内会設立年次
東京市編『東京市町内会の調査』(1934)をもとに作成
表3―2―3―2 会員数からみた町内会数(昭和8年〈1933〉)
東京市編『東京市町内会の調査』(1934)をもとに作成
表3―2―3―3 町内会の事務
東京市編『東京市町内会の調査』(1934)をもとに作成