解題・説明
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福岡県指定有形文化財(彫刻)・昭和36(1961)年10月指定。 この僧形八幡神坐像は、生立八幡宮のご神体として応永元年(1394)に地頭・西郷高頼の寄進によって造られました。頭と体を榧の木から彫り出した一木造りですが、膝や手首、胸は別の木材から作られています。 胸の部分をとりはずすと銘文が刻まれていて、それによると、この像は、養老7年(723)に豊前国司・宇奴首男人の奉納したご神体が破損したため、応永元年(1394)に新しく造りなおしたものであると記されています。 この像の特色は神の形を映したものと言いながら、その形が袈裟をまとった僧侶姿であることです。八幡神は日本の神の中でもっとも早く仏教に帰依し、その名を八幡大菩薩と名乗ったほど仏教に親しんだといわれます。凛とした姿は仏とはいいながら神としての威厳が十分に表わされていて、この像はまさに神仏習合の理念を形にした傑作といえます。
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