解題・説明
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みやこ町勝山大久保所在の西山浄土宗寺院・曼陀羅寺に伝来する当麻曼荼羅図で、鎌倉時代の作とみられています。当時盛行した繊細な截金や照隈技法が多用された優品で、福岡県指定有形文化財(絵画)。 寺伝(豊前国京都郡下久保村曼陀羅寺略縁起)によると、曼陀羅寺は元亀二(1571)年に黒水右京進宏頼が、行寿を開山として建立し、奈良仏師・尊智の作とされる本曼陀羅を本尊として請来したと伝えられています。 全体に繊細・緻密な描画とともに、平安後期に完成された技法とされる截金や照隈の技法、稀少顔料とされた群青の使用は中央の工房での製作をうかがわせ、本図の完成・洗練度の高さを裏付けるとともに、福岡県内はもとより九州でも希少な鎌倉期の古仏画として高く評価されています。
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